ロボット・ハードウェア

3Dプリントできる!SG90の固定パーツ作成(STLファイル公開中) ~水平固定ver.~

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

「STLファイルの公開」にてデータ配布しています!

サーボモータSG90とその固定

電子工作やDIYでよく使われるサーボモータにTower ProのSG90があります(図1)。安くて小さいのにそれなりのトルクがあり、入手がしやすいことから人気のサーボモータです。このサーボモータにはトルクや動作の種類(角度制御か無限回転か)が異なる同じ寸法の亜種が存在しています(図2)。

図1:Tower Pro SG90 Servo motor
図2:SG90と同じ寸法の亜種。(左)SG90 (中)無限回転版のSG90-HV (右)高トルク版のSG92R

このサーボモータ、非常に便利なのですがその小ささ故か固定できる箇所が少なく、なにかに固定しようとすると意外と難しい場合があります。一応二箇所M2ネジを入れられる穴がついていますが取り付け場所によってはなかなか苦労します(図3)。また、取付穴の直下にケーブルが出ているため、ネジが干渉してしまう場合もあります。そうなると取り付けが難しくなったり、ケーブルの破損が起きる場合もあります(図4)。

図3:M2ネジを差し込んだところ
図4:ネジとケーブルの干渉。取り付け側の位置やネジの長さによってはなかなか厄介な場合もある。

そこでこのSG90(と同じ寸法のSG92RやSG90-HVなど)を簡単に固定できる取り付けパーツを作成していきます。

3Dプリントできる固定パーツ

今回はSG90を上向きに固定でき、かつ3Dプリントできるパーツを作っていきます。SG90本体に開いている穴は片側1つずつなので、しっかりと固定する場合は心許ない場合があります。そこでSG90を全体的に覆いつつ、固定箇所を増やしたものとします。

また、固定のネジは入手しやすいM2 15mmとM3のネジだけで行えるようにします。

まずは全体をFusion360で設計します。SG90全体を覆うことで、SG90自体の取付穴を利用しない方針です。

メインの土台部分とそのカバーからなっており、カバーをM2、15mmのネジとナットで固定し、土台をM3ネジで固定します(図5,7)。

裏側からはカバー固定のためのM2ナットを挿入します(図6)。

図5:土台部分のモデル
図6:土台部分を別角度から。M2ナットを入れられるようになっている。
図7:カバーをあわせたところ。M2ネジで固定する。

印刷&組み立て

それでは3Dプリンタで印刷してみましょう。印刷する向きは図8、9の方向がおすすめです。この向きで印刷することでサポート材が細かい部分に入り込まず、サポート材を剥がすときに楽です。実際に印刷してみたものが図10です。

図8:土台部分の印刷方向
図9:カバー部分の印刷方向
図10:印刷した固定パーツ、この向きで印刷することで細かい部分にサポートが作られず剥がしやすい。

この土台部分の後側からM2ナットを入れ(図11)、SG90を入れてからカバーをかぶせ、M2、15mmのネジで固定してやります(図12,13)。

図11:土台部分に裏からM2ナットを入れる
図12:SG90を装着したところ
図13:M2、15mmのネジでカバーを固定
図14:M3ネジでの土台の固定。周囲6箇所に開いた穴を利用できる。

あとは取り付けたい部分に合わせてM3ネジで固定してやればOKです(図14)。

もちろん、SG90と同一寸法のサーボモータでも利用可能です(図15)。

図15:SG90と同一寸法のSG92Rを入れた場合。同じ寸法なのでピッタリ入る。

STLファイルの公開

今回作成した固定パーツのSTLファイルは以下で公開しています。もしよければ使ってみてください!(どのサイトのものも内容は同じです。)

SG90 Series Universal Holder

Thingiverse: https://www.thingiverse.com/thing:5844089
GrabCAD: https://grabcad.com/library/sg90-series-universal-holder-1
Cults: https://cults3d.com/:1056050

Tower Pro SG90の他、同じ寸法のSG92RやSG90-HVでも利用できます。